シロアリの生態

シロアリの起源        

シロアリの起源は3億年前、古生代石炭紀といわれています。 そのころの陸地はパンゲアと呼ばれ大きな一つの大陸を形成していました。現在のヨーロッパ、北米大陸東部は、当時熱帯気候で大きな湿原には大森林がありました。昆虫目のほとんどはこのころ出現し、シロアリはゴキブリ目から分化したと言われています。ですから、形はクロアリと似ていますがクロアリよりもゴキブリに近い生き物です

シロアリの社会         

シロアリは多数の個体が集団をなして生活しており、家族(コロニー)には1匹の女王、1匹の王、副女王、副王、働きアリ(下部写真)、兵隊アリ等がおり仕事を分担しあっています。 女王の寿命はイエシロアリで10~15年で一生の間に100万個以上の卵を生みます。 働きアリは家族(コロニー)の90から95%をしめ、巣作り、餌の採取、運搬、育児等あらゆる仕事をしています。兵隊アリは外敵が来たときに戦います。 普段は木の中で喰害し明るいところには出て来ないため発見は困難です。

シロアリの成長

成長の仕方も蛹の段階がなく、幼虫と成虫の姿がほとんど同じ、不完全変態をします。 ほとんどのシロアリは働きアリになり、働きアリのままで一生を終えます。一部が兵隊アリ、ニンフ(後の羽アリとなる)に成長していきます。女王、王、副女王、福王以外は性の区別はありますが生殖能力はありません。ヤマトシロアリの場合は何らかの影響で働きアリだけが生き残っても、20匹以上いればその中の一部が生殖能力を獲得し、王と女王になりコロニーとして生き延びていきます。 春から夏にかけ羽アリ(後の女王と王になる、黒色)が飛び立ち、雄雌がカップルとなり他の場所で新しい巣を作り増えていきます。

シロアリの食料

シロアリは植物、特に木材の中に多いセルロースとヘミセルロースを餌にしています。 腐った木材、枯葉、動物の糞、木の根、枯れ枝、木材だけでなく枯れた植物も食べます(芝生、枯れ草等)。又木材から加工された、紙、本、新聞紙、ダンボール、家具類、木造住宅の木の部分も、もちろん食べます。なかには生きている木や植物を食べるものや、キノコ(シロアリタケ)を栽培し食べる種もあります。 その他にシロアリの排出物、死んだシロアリや弱ったシロアリ、コロニー内の階級構成を一定に保つための共食いもします。 消化管内には原生動物、バクテリアを共生しセルロース、セミセルロースの分解に役立っています。

ヤマトシロアリの羽アリ

ヤマトシロアリの羽アリ

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